健康格差 第3章(福井チーム)

【日にち】3/27(火)13:00~

【参加者】鈴木和先輩、東先輩、加藤

 ※わかりやすさのため、以下小見出し?ごとに「節」としてカウントすることとします。

【内容】

第1節

p80 プッチーニのオペラ:プロセスが平等であっても、結果は異なるということを示している。

   →結果がいかに大切であるかということ!

cf)化学療法では、髪が抜ける、嘔気・嘔吐などの副作用が生じる。しかし、副作用を我慢して得られる結果が芳しくないものである場合、患者さんの選択に十分影響すると考えられるだろう。

p82 倫理的論争について

 

第2節

ギータ、ジミー、レイチェルの事例について

 

第3節 厚生を最大化する

p87 数字を見ることの危うさも知っておくべきである

p86 「経済学者は火星人」とは?

   →話し合いの結果、筆者とは違う考えの持ち主、というような意味で用いられているのではないかとの結論に至った。

 

第4節 人々の命の価値

p88 「君、ドルはどこで出てくるんだね?」とは?

   →これはおそらく、「お金で価値を計るのはおかしい」ということが言いたいのではないか?

p90 「中間層に使いなさい」とは?

   →費用対効果を考えた場合、最も良いのは中間層に使うことかもしれない。しかし、筆者は、この事例を通して、それがいかにおかしなことかを説明しようとしているのではないだろうか?

 

第5節 自由を促進する

p92 リバタリアンとは?

   →政府が個人の健康に介入するのを嫌がる立場である。

   裁量がないと、自由も与えられない・・・

   →では、裁量を与えることが大切である。人々を自由にするためにも、政府が介入するべきなのである!

p96 誰の責任だろうか?

 

第6節 機会の平等とは?

p98 パイの話は何を表しているのか?

   →経済全体を大きくすれば、割合を大きくすることなく、もらえる分が大きくなるという理屈。

   →しかし、人々の初期状態が全くちがうので、同じプロセスでアプローチをしても、意味がないのではないか?ここでもやはり、結果が大切であると言えよう。

 

第7節 徳に報いる

p101 デンマークノルウェーでは所得の不平等ははるかに小さいのはなぜか?

   →おそらく、増加分が貧困層に分配されているからではないだろうか?

 

第8節

p102 所得格差を瞬時に「おかしい!」と感じる人は少ないかもしれない。しかし、それが健康格差につながる格差であれば、人々は瞬時に「それはおかしいじゃないか!」と感じる。

   →ここで職業のサラリーはどのように決まっているのか?という疑問が出た。議論の末、おそらく需要と供給、教育年数などが複合的に絡んでの結果なのではないかという結論に達した。

 

第9節 自分の健康

p105 「貧困が視野を狭くする」というのは、幼児期に私たちが実際に経験している者であった。 ex)小さいころ、兄弟に食べ物を奪われるのが嫌で、食卓に料理を運ぶ途中に、つまみ食いをしてしまうケースなど

   →これは、貧困が認知に与える影響ではないだろうか?

 

第10節 イデオロギーと科学的根拠

p107 マクロ経済政策とは?

   →おそらく、対比で出されている。

   →経済学者によれば、健康によって富が形成される。

    筆者によれば、富によって健康が形成される。

 

 

【まとめ】

・プロセスも大切だが、健康に関しては、特に結果が重要であると言えよう。

・遺伝で決まるものももちろんある。しかし、社会的要因で決まるものも見ていく必要がある。

・「無力化」された人々へのエンパワメントが重要。それこそが政府の仕事であり、やるべきである。

・そもそも、SDHとは、みんなの責任なのか?

・気づきにくい所得格差と、瞬時におかしいと感じる健康格差。健康格差につながりうる所得格差は、やはり「おかしい!!!」のである。

 

 

【次回】4/6(金)13:00~

    次は黙読で読んでみる。

<欠乏>は心を占拠する:『いつも「時間がない」あなたに』

<欠乏>は心を占拠する。空腹の被験者が食べ物のことで頭がいっぱいになったのと同じように、人は何かを欠乏すると、それに心を奪われる。心は自動的に・否応無く・満たされていないニーズの方を向いてしまう。
概要

本書は、時間が足りないと焦っている人、お金が足りず生活が苦しい人、ダイエット中で空腹を感じている人、友達が少なく孤独を覚えている人…等々、自分が持っているものが必要と感じるものより少ないと感じている人たちには、共通の<欠乏>のマインドセットが存在することを示し、<欠乏>のマインドセットを考慮に入れたより有効な制度設計を提案するという本です。 

いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

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健康格差 2章(福井チーム)

<日にち>3/7 20:00-

<参加者> 鈴木、加藤(担当)

<話し合ったこと>

① 感想など

◇印象に残ったところ

p.54 「原因の原因」に働きかけると、強い政治的反発が生じる。

cf. 『貧困大国アメリカ』 

マーモットらの論文を抹消、お抱え学者、政治的圧力……

 

◇タバコ・酒・食物

p76 医療費を断トツで使っているのに…「米国人はイングランド人より不健康」

 

◇個人の選択もあるが、エンパワメントできない状態を作った文化にも責任があるのでは……

  

◇衝撃的なのは…

日本は、遺伝的文化的にも守られていること

健康と医療は結びついていると思っていたが

医療へアクセスできないことだけが不健康の原因とは限らない。

 

◇食品ファシストと呼ばれた筆者

健康は政治と絡んでいる。

鈴木「1%s & 99%s」

米国の善良な同僚からも忠告を受ける。

恐ろしい大企業からの圧力(英国でも)

→ 学問がそんなことに使われるのはオカシイ!!

 

◇富裕層の方が飲酒量が多い、とある。興味深い…。

 

<疑問点>

p.60 「私たち」って誰?

強調しているだけ?

(政治的右派の意見として)個人の問題だから気にしなくてよい、という意味!

 

「高度専門職では喫煙率9%、一般労働者は31%」

でも、NsやDrはよく吸っているイメージがある…。Nsは一般女性の2倍くらいの喫煙率、らしい。

→ 正確に申告していない可能性がある。

cf p.62 日本ではまだ浸透していないのかも。

 

病気は誰のせい?

「みんな」では。意思決定をするまでのエンパワメントができない状況にさせた公衆衛生にも責任がある!

 

p.75 メディケイド

よく知らない。→ 次回までに調べておく!

 

<宿題>

メディケイドの仕組みについて調べる!

(米国の医療保険制度)

 

<次回>

次は「章の小見出しごとに読んで話し合う」方式で。

3/27 医ゼミの後にやる!

子ども食堂フォーラム

名古屋大学 新2年の田上陽菜です。2月16日(金)に行われました「子ども食堂フォーラム」で学んだことをご報告したいと思います。このフォーラムの前半は社会活動家である法政大学教授の湯浅 誠 氏による「子ども食堂のすすめ」と題した講演で、後半は子ども食堂の実践事例報告を中心としたシンポジウムでした。

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健康格差 1章(福井チーム)

<日にち> 3/1 20:00-23:00

<参加者> 鈴木、青山、友兼、加藤

<話あった内容>

① 注目すべきこと

・無力化にどう取り組んでいくのか?

・「人種」の問題:一部の善良なDrが着目する。

 

② 心に残ったこと

・“一般化”にすごく納得。これこそが私たちが学んでいる医学のことだ!

・米国のアンディ君が60歳になれる確率が実はそれほど高くないこと

 

③ 全体的な感想

・全体を動かす“ポピュレーション戦略”が大事! →これは教育にも当てはまりそう。

・アンディ君の事例について

→ 彼の苦難を生み出しているのが米国というのが残念。どんな社会状況なのかもと知りたい。

・アプローチをするにせよ、地域ごとの価値観による介入の内容と順序の検討が必要だろう。→段階を踏むことが大事。

・寿命が短くて障害年数の長い社会 vs. 寿命が長くて障害年数の短い社会 → 生産年齢を考えた時の、経済的な影響は?

・「お金は必要だけど、それが全てではない」→ 生活の質は?

ルクセンブルクが外れ値になっている……。なぜ?

・一定以上の所得がある人では所得は健康にとってあまり重要ではないというのは興味深かった。

・最終的にはエンパワメントに介入することが大切。→本人の価値観、考え、思想なども尊重。本院が本人の意思で判断できる判断材料を提供する。優先順位を考えながら。

 

<次回> 3/7 20:00- 担当加藤