健康格差 2章(福井チーム)

<日にち>3/7 20:00-

<参加者> 鈴木、加藤(担当)

<話し合ったこと>

① 感想など

◇印象に残ったところ

p.54 「原因の原因」に働きかけると、強い政治的反発が生じる。

cf. 『貧困大国アメリカ』 

マーモットらの論文を抹消、お抱え学者、政治的圧力……

 

◇タバコ・酒・食物

p76 医療費を断トツで使っているのに…「米国人はイングランド人より不健康」

 

◇個人の選択もあるが、エンパワメントできない状態を作った文化にも責任があるのでは……

  

◇衝撃的なのは…

日本は、遺伝的文化的にも守られていること

健康と医療は結びついていると思っていたが

医療へアクセスできないことだけが不健康の原因とは限らない。

 

◇食品ファシストと呼ばれた筆者

健康は政治と絡んでいる。

鈴木「1%s & 99%s」

米国の善良な同僚からも忠告を受ける。

恐ろしい大企業からの圧力(英国でも)

→ 学問がそんなことに使われるのはオカシイ!!

 

◇富裕層の方が飲酒量が多い、とある。興味深い…。

 

<疑問点>

p.60 「私たち」って誰?

強調しているだけ?

(政治的右派の意見として)個人の問題だから気にしなくてよい、という意味!

 

「高度専門職では喫煙率9%、一般労働者は31%」

でも、NsやDrはよく吸っているイメージがある…。Nsは一般女性の2倍くらいの喫煙率、らしい。

→ 正確に申告していない可能性がある。

cf p.62 日本ではまだ浸透していないのかも。

 

病気は誰のせい?

「みんな」では。意思決定をするまでのエンパワメントができない状況にさせた公衆衛生にも責任がある!

 

p.75 メディケイド

よく知らない。→ 次回までに調べておく!

 

<宿題>

メディケイドの仕組みについて調べる!

(米国の医療保険制度)

 

<次回>

次は「章の小見出しごとに読んで話し合う」方式で。

3/27 医ゼミの後にやる!

子ども食堂フォーラム

名古屋大学 新2年の田上陽菜です。2月16日(金)に行われました「子ども食堂フォーラム」で学んだことをご報告したいと思います。このフォーラムの前半は社会活動家である法政大学教授の湯浅 誠 氏による「子ども食堂のすすめ」と題した講演で、後半は子ども食堂の実践事例報告を中心としたシンポジウムでした。

続きを読む

健康格差 1章(福井チーム)

<日にち> 3/1 20:00-23:00

<参加者> 鈴木、青山、友兼、加藤

<話あった内容>

① 注目すべきこと

・無力化にどう取り組んでいくのか?

・「人種」の問題:一部の善良なDrが着目する。

 

② 心に残ったこと

・“一般化”にすごく納得。これこそが私たちが学んでいる医学のことだ!

・米国のアンディ君が60歳になれる確率が実はそれほど高くないこと

 

③ 全体的な感想

・全体を動かす“ポピュレーション戦略”が大事! →これは教育にも当てはまりそう。

・アンディ君の事例について

→ 彼の苦難を生み出しているのが米国というのが残念。どんな社会状況なのかもと知りたい。

・アプローチをするにせよ、地域ごとの価値観による介入の内容と順序の検討が必要だろう。→段階を踏むことが大事。

・寿命が短くて障害年数の長い社会 vs. 寿命が長くて障害年数の短い社会 → 生産年齢を考えた時の、経済的な影響は?

・「お金は必要だけど、それが全てではない」→ 生活の質は?

ルクセンブルクが外れ値になっている……。なぜ?

・一定以上の所得がある人では所得は健康にとってあまり重要ではないというのは興味深かった。

・最終的にはエンパワメントに介入することが大切。→本人の価値観、考え、思想なども尊重。本院が本人の意思で判断できる判断材料を提供する。優先順位を考えながら。

 

<次回> 3/7 20:00- 担当加藤

読書会のすすめ

東です。この会で何をやっているのか一度説明しておきます。

医師になると、臨床で気になった事例やテーマを調べて発表する勉強会や、最近注目の論文を読む抄読会などを日常業務としてすることになります。この読書会で行っているのは勉強会のミニチュア版、抄読会の娯楽版と言えるんじゃないかと思います。

見渡してみると、米国ではわりと一般的な「アクティビティ」として読書会 Book Clubが行われていて、日本でも、ビジネス書や文学書を読む猫町倶楽部さんや、参加者がお互いにお勧め本のプレゼンテーションをして「どれが一番読みたくなったか」を投票して競い合うビブリオバトルなどが盛況を博しています。

www.nekomachi-club.com

自分が関心のあるテーマについて話してみたい、同じ関心を持った他の人の意見も聞いてみたい、というニーズがあるのかなあ、と思います。「健康格差」、クラスの中でオープンに話せるでしょうか?……なかなか難しいですよね。

この読書会で話しましょう。

 

とはいえ、読書会として、集まって何話すの?、集まる意味あんの?という方もいると思うので、ガイドラインを載せておきます。読書会を楽しむためのチェックリストがついているので、事前にも事後にも参考にしてみてください。

続きを読む

健康格差 第10章

担当:東

タイトルは「この世界で公正に生きる」。グローバル経済がどのように人々の健康に影響するかについてです。最終章前にふさわしい大きい話ですね。知っておく必要はあるだろうけど、大きすぎて個人でどうこうできることじゃないんじゃないかなあ、と参加者で頭をひねっていました。私たち一人ひとりがグローバルにできることだと……、例えば、ピーター・シンガーが『あなたが救える命』で主張している「最貧困国の人のために収入の5%を寄付」とかするといいかもしれませんね。

続きを読む

おすすめサイト

医療政策学×医療経済学 – Health Policy X Health Economics

圧倒的な情報量。公衆衛生、社会疫学、医療経済、等々で気になるトピックがあったらとりあえずここを開くといい気がします。一本一本は短いので成書がつらい人にも便利なサイトです。

国の医療費上昇の一番の原因は「医療技術の進歩」 – 医療政策学×医療経済学

高齢化ならば医療費上昇、は不正確でほぼ間違い。反例:1960-2007年のアメリカ。

医療保険の自己負担割合のインパクトを評価したランダム化比較試験「ランド医療保険実験」 – 医療政策学×医療経済学

自己負担割合の高さは非貧困層では受診行動に影響しないが、貧困層では受診抑制と健康アウトカムの悪化につながる、ということをRCTで示す。

 

経済学101

主に反緊縮派の経済学者の論文、エッセイ、ブログ記事を翻訳しているサイト。非営利で。リスペクト。

アメリカのトップ1%は成長の果実を(不当にも)独り占め — 経済学101

HG本9章に関連する話。

 

SYNODOS -シノドス-

オールジャンルで基本的にはリベラルな社会評論を載せている。その分野で最前線な人のインタビューとかもある。いつも勉強させていただいてます。

「いのちの大切さ」を説くだけでは子どもは救えない / 精神科医・松本俊彦氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-

 

HONZ - 読みたい本が、きっと見つかる!

本探しにはここ。仲野徹先生は大阪大学の病理学教授で、医学・生物学系のレビューをよく書いてます。書評の書き方の参考にもなるかと思います。

人生観が、そして人生が変わる 『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』 - HONZ

『健康格差』でも少し触れられていた老年医療の本。自分も読みましたが、すごい本でしたね。老人ホームに犬猫小鳥を放った医師の話が強烈。

ピューリッツァー賞受賞作『病の皇帝「がん」に挑む』 本邦サイエンスノンフィクションの興廃この一冊にあり - HONZ

医学的な話は無論、教科書にはあまり出てこない、タバコ産業と肺がん当事者遺族会の戦いも克明に書かれていました。タバコが肺がんを引き起こすというのは今では常識で様々な規制がなされていますが、この常識は勝ち取られたものだったのです。