読書会のすすめ
東です。この会で何をやっているのか一度説明しておきます。
医師になると、臨床で気になった事例やテーマを調べて発表する勉強会や、最近注目の論文を読む抄読会などを日常業務としてすることになります。この読書会で行っているのは勉強会のミニチュア版、抄読会の娯楽版と言えるんじゃないかと思います。
見渡してみると、米国ではわりと一般的な「アクティビティ」として読書会 Book Clubが行われていて、日本でも、ビジネス書や文学書を読む猫町倶楽部さんや、参加者がお互いにお勧め本のプレゼンテーションをして「どれが一番読みたくなったか」を投票して競い合うビブリオバトルなどが盛況を博しています。
自分が関心のあるテーマについて話してみたい、同じ関心を持った他の人の意見も聞いてみたい、というニーズがあるのかなあ、と思います。「健康格差」、クラスの中でオープンに話せるでしょうか?……なかなか難しいですよね。
この読書会で話しましょう。
とはいえ、読書会として、集まって何話すの?、集まる意味あんの?という方もいると思うので、ガイドラインを載せておきます。読書会を楽しむためのチェックリストがついているので、事前にも事後にも参考にしてみてください。
ーーーーーーーーーー
読書会の目標
同じ本を読んでディスカッションすることで、一人で読むより深く読み込むことができます。
同じ本を読んで率直に意見交換することで、お互いを深く知ることができ、信頼関係が強くなります。
少し背伸びをして難しい本を読むのであれば、1人では読みきれない本でも、会をペースメーカーやきっかけとして使うことで、読むことができます。
読書会をはじめよう
本好きの仲間を集める。2人からでも。4~5人がベスト。
ホストと場所、時間を決める。ホストは持ち回りで。時間は1時間~2時間。
本を決める。長続きさせるために、短くて・やさしい・面白い本を。
読書会の進め方
- メンバーが事前にすること
1週間くらい前に本を読む。
大事なところに傍線や印をつける。
リーディング・ログをつける。
a)作品の主題は何だろうか
b) あらすじはどうだったか
c)キー・クエッションは何だろうか
- ホストが事前にすること
本を選び、場所と時間の案内を出す。
「メンバーが事前にすること」を入念にやっておく
作品の背景知識を簡単に調べておく。wikipediaでおっけー!
キー・クエッションを10個ほど用意しておく。会話が途切れたらすかさず切り出す。
- 当日にホストがすること
まず、読んだことについて、どんなことを考えたか、どこが心に残ったか、どこが面白かったか・つまらなかったかなどを一人一人話してもらう。
あとは、自由に話す。
話が本からそれたら本に戻る。
話が途切れたら用意しておいたキー・クエッションを出す。
終わりに、簡単にまとめる。
- 当日にメンバーがすること
読んでいる時に書いたリーディング・ログをもとに質問や意見をどんどん出す。
読書会の約束事
□ 一人で話しすぎないこと
□ ずっと黙っていないこと
□ 疑問点はすぐに聞くこと
□ 批判や反論をするときは相手を傷つけないようにおだやかに言うこと
□ 書いてあることや自分の体験など確実に話せることを素材にして話すこと
□ 本以外の話題に逸れないこと
□ 一つの話題の決着が着くまでは次の話題に移らないこと
読書会を楽しむ10のコツ
□ 基礎知識、予備知識を調べる。
□ キーワードやキーセンテンスはなんだろう。どういう意味だろう。
□ 文章構造はどうなっている?
□ イラスト、図表は何を示しているだろう。
□ 書いてないことを推測してみよう。
□ これからの展開を予想してみよう。
□ 要約してみよう。
□ 本文の評価や批判をする、同じテーマを自分ならどう書くか?
□ 個人的体験と比較する:自分や自分の周りで似たようなことはあったか?
□ 視点を変えてみよう。反対の立場からすればどうだろう。
『ブッククラブで楽しく学ぶ クリティカルリーディグ入門』より
ーーーーーーーーーー
ちなみに、『健康格差』サクッとチームは、
一章ずつ担当を決めてレジメを切り、2週間ごと1回2章のペースで進めました。
LINEで日程調整を行い、5人中3人が集まったら開催。
一回あたり:報告 30min×2 議論 30minで90min。
読書会の間に、ワードのレジメに議論内容を書き加え、
会の後に、形を整えて本Blogにアップし、成果物としました。