近藤克則さんインタビュー

こんな記事がありました。

オフグリッド化する医療〜身体から環境へ、未来社会の健康づくり〜 | 一般財団法人 Next Wisdom Foundation ネクストウィズダムファウンデーション

 

健康の社会的決定要因が注目されるようになった経緯が解説されていますね。教養の授業っぽい。必読です。(他の記事も面白げ。)

 

個人的に大事だなーと思ったところのスクラップ

臨床医学では、ハイリスクな因子を持つ「人」はどういう人か、という研究がやられてきた。でも、実は健康な「まち」とそうでない所があることが分かった。どういう環境、まち、社会を作るのかによって、そこに暮らす人たちの健康水準がかなり違っている。

 自己責任論を和らげる効果がありそう。

「地域によってボケやすさに3倍差がある」なんてことまだあまり知られていない。みんながそれを知れば、ボケやすいまちはイヤだと、騒ぎになって真剣に考え対応せざるをえなくなるのではないか。と考えて、健康格差の「見える化」を進めています。「見える化」は目的でなく、健康格差の縮小への合意を作るための手段です。

火付けの役割としての「見える化」。 

うつには、結構、学歴が影響していて、高学歴の人はうつになりにくい。高学歴の人にだって悩みはありますが、いろんな問題解決方法や生き方のモデルを見てたりするので、これがダメなときにはこっちがあるとか、いろんな戦略で対処ができる。支えてくれる人も多い。たとえば、中卒の人って同窓会が小学校、中学校しかないわけですよ。高校、大学、大学院と進むとそれぞれ異なる人のネットワークが加わっていく。支えてくれる人が多い人は、うつになりにくく、回復しやすいことが分かっています。おそらく大学進学率が高い社会になるとうつも減り、より健康な人が多い社会になっていくと思います。

これは盲点でした。学歴は、職業選択上有利になるというような社会経済的な要因を介して身体的精神的健康にきくのかな〜と思っていましたが、進学で新しいつながりが作れる、元のつながりが「しがらみ」であればリセットできる、というソフトなメリットも確かにありそうですね。というか、なぜ沖縄の若者たちは、地元と暴力から抜け出せないのか? / 打越正行とかでまさに指摘されているところでした。

健康に良い環境がつくれれば、必ずしも一人ひとりが大きな努力をする必要はないわけです。暮らしているだけで、さほど意識しなくても健康になってしまう。これからは、そんなコミュニティや社会づくりを目指す「0次予防」の時代。

「健康になってしまう環境づくり」、「0次予防」 。キャッチーでいいですね。

(東)