沖縄は長寿県?

沖縄フィールドワーク事前学習、2人目は福冨さん。沖縄の健康状況の相対的悪化についてです。本レポートの中では「欧米食化」「車社会化」を原因にあげてます。

私見では、ベースラインの健康化+急性病から慢性病への疾病構造変化でもともと抱えていた食・移動・飲酒・貧困などの生活習慣ファクターがより顕著になったのかなあと思ったりします。どうなんでしょうね。(東)

 

 沖縄県は長寿県?:名古屋市立大学2年 福冨妃菜

 

沖縄県は長らく「長寿県」として知られてきた。いまでも沖縄と言えば「長寿」をイメージする人も少なくないだろう。私自身そう思っていた。しかし、それはいまや昔の話であり、5年ごとに発表される都道府県別平均寿命で、沖縄の男性は1990年に5位に転落、2000年には26位と大幅に転落した。この沖縄県の健康長寿の危機的状況は「26ショック」、または「沖縄クライシス=危機」とも呼ばれ、各方面に大きな衝撃が広がった。女性はその後も2005年の調査までは都道府県別平均寿命1位を維持していたものの、2010年には遂に女性も3位に転落した。男性も下降し続け30位。

 

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 厚生労働省は2017年12月13日、平均寿命などをまとめた「2015年都道府県別生命表」を発表した。沖縄県の平均寿命は女性が87.44歳(全国平均87.01歳)となり、全国7位。男性も全36位の80.27歳(全国平均80.77歳)。男女とも全国と比較した平均寿命の延びが鈍く、順位後退に歯止めがかかっていない。「健康長寿・沖縄」の面影はすっかり薄れている。

さらに、実は沖縄県の65歳末満の死亡率が2010年に全国一。65歳未満だけで見れば、沖縄県は長寿県どころか、短命県ナンバーワン。沖縄では若い世代ほど死亡率が高い。

 

なぜ全国平均を下回ってしまっているのか?
①食の欧米化

沖縄では全国と比べて相対的にどんな死因が増えているのか。若い世代では自殺も考えられるが、全国と比べて自殺の目立った増加はない。沖縄で最も増え方が顕著だったのは、循環器系疾患。アメリカ軍占領下の1960年ごろ、肉の加工品などが海外から大量にもたらされ、全国に先駆けて食の欧米化が進んだ。その結果、県民の摂取カロリーに占める脂肪の割合は急激に上昇。全国平均よりも短命な65歳の人は、脂肪摂取が急増したこの10年間に成長期を過ごした世代である。沖縄県では成人男性の2人に1人の方が、肥満であるということも報告されている。(全国平均は3人に1人)

②車社会

現在のところ沖縄にはモノレールを除くと鉄道がない。車での移動が運動不足を引き起こしているかも。