『社会疫学』第11章 心理社会的な介入

研修医同士で行なっている学習会でのレジメを掲載。学習会での疑問点やコメントなどは#をつけて書いてあります。前回学習会での「SDHへの有効な介入ってどんなのがあるの?」という疑問うけて読んできた部分です。 心理社会的介入とは 心理社会的介入のデザ…

動画で学ぶ「健康の社会的決定要因」

私が医学生になってびっくりしたことの一つに、医師国家試験の予備校がしのぎを削ってネット講義を配信しており、ほぼ全ての医学生がそれらを視聴しているということがあります。教育の均てん化という点において案外と大きい効果を持っているんではないでし…

『人体実験の哲学』書評:誰がリスクを引き受け、誰が利益を得るのか?

人体実験の哲学――「卑しい体」がつくる医学、技術、権力の歴史 作者: グレゴワール・シャマユー,加納由起子 出版社/メーカー: 明石書店 発売日: 2018/10/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 医学の歴史はヒポクラテスに…

健康格差 第9章(福井👓チーム)

8/7 (火) 13:00~ 鈴木・加藤・蓑島(みのしま) 今回は岐阜の蓑島さんも加わり3人で行った。 公平な社会 【第1節】 ハイチ・チリ、アメリカ・イギリス、南アジア、東西欧州、中南米、日本等の国が例として取り上げられ、健康状態の明暗について紹介された。 …

健康格差 第7章(福井👓チーム)

5/26 (火) 20:00~ 鈴木・加藤 長らくお休みしていた読書会を再開する。 おとなしく流されてはいけない 【第1節】 「老年期は恐ろしい時期だ。貧しく、惨めで、社会から孤立し、知力と体力が低下し、社会での役割を失う。」(p.199 l.5) このような描写は、…

健康格差 第6章(福井👓チーム)

【日にち】5/7(月)19:00~22:30 【参加者】鈴木和先輩、加藤 【内容】 第1節 ・p172、3行目 彼を制御し、彼の良心と・・・ Q1)「良心」とはどんな意味でつかわれているのか? →ここはやはり、前回も出たように、原著と照らしてみるのはどうだろうか? ・p173…

健康格差 第5章(福井チーム)

【日にち】4/24(火)20:00~23:40 【参加者】鈴木和先輩、加藤 【内容】 第1節 ・p146 最後の行 これは「過激な考え方だ」とは? →他の人に相談する!または原著を読んでみる! ・女の人にも教育の機会はあるべき! →社会を変えるには教育が最良なのだから。 …

3分でわかる!『あなたが救える命』

The Life You Can Save in 3 minutes by Peter Singer 功利主義の立場から「豊かな国の人々は、自分の生活が深刻に害されない範囲まで、最貧困国の人のために寄付をするべきである」と説いているピーター・シンガー『あなたが救える命』の紹介動画です。簡単…

『経済政策で人は死ぬか?』第3章

担当:東 1997年 アジア通貨危機 IMFや世界銀行はアジアやアフリカでも急進的な緊縮政策を推している。1990年代のアジア通貨危機においても、東アジアに対して、医療や社会福祉を含む政府支出の大幅削減を条件に、融資を行った。結果、緊縮を選択した国では…

『経済政策で人は死ぬか?』第2章

第2章ではソ連崩壊後の市場経済への移行による健康への影響をみていく。 元になった論文は、こちら。 ソ連崩壊後の死亡危機 ソ連崩壊後、男性の平均寿命は1991年の64歳から1994年の58歳へと縮んだ。 ロシアの死亡動態再考(雲和広)より このような結果は決…

『経済政策で人は死ぬか?』第1章

本章では、1930年代のアメリカ、「大恐慌」の時代をみていく。 著者がBMJに載せた論文。この内容を一般向けに噛み砕いている章。以下、図の引用はここから。 不況は健康にいい!? 1929年の大恐慌以降、全死亡率は低下。あれれ??? 死因を細かくみると、大…

『経済政策で人は死ぬか?』まえがき・序

担当:東 5月6月は 経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策 作者: デヴィッドスタックラー,サンジェイバス,橘明美,臼井美子 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2014/10/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (27件) を見る を読んでいきま…

単発読書会:『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』

担当:東 誰もが健康でありたいと願いながら、どうすれば健康になれるかについて正確なところを知りません。メディアでは、「健康になりたい、できればラクな方法で」という人情につけこんで、誤った情報が流布されています。…いや、他人事はよしましょう。本…

健康格差 第4章(福井チーム)

4月6日金曜日に行った健康格差読書会についてレビューする。 尚、ダイヤの印の見出しを「節」、節の中の印の無い見出しを「ブロック」と呼ぶ事にする。今回は黙読にて読み進め、節毎若しくは数ブロック毎に感想交流・議論を行った。 ●1章114ページ1行目 「無…

健康格差 第3章(福井チーム)

【日にち】3/27(火)13:00~ 【参加者】鈴木和先輩、東先輩、加藤 ※わかりやすさのため、以下小見出し?ごとに「節」としてカウントすることとします。 【内容】 第1節 p80 プッチーニのオペラ:プロセスが平等であっても、結果は異なるということを示してい…

<欠乏>は心を占拠する:『いつも「時間がない」あなたに』

<欠乏>は心を占拠する。空腹の被験者が食べ物のことで頭がいっぱいになったのと同じように、人は何かを欠乏すると、それに心を奪われる。心は自動的に・否応無く・満たされていないニーズの方を向いてしまう。 概要 本書は、時間が足りないと焦っている人…

健康格差 11章

担当:小西 副題は「希望の仕組み」です。本書全体を振り返りつつ、医療者ができること・やるべきこと、よりよい社会とは何か、が語られています。

健康格差 2章(福井チーム)

<日にち>3/7 20:00- <参加者> 鈴木、加藤(担当) <話し合ったこと> ① 感想など ◇印象に残ったところ p.54 「原因の原因」に働きかけると、強い政治的反発が生じる。 cf. 『貧困大国アメリカ』 マーモットらの論文を抹消、お抱え学者、政治的圧力…… ◇タバコ…

社会的処方

経済紙のエコノミストになんと「社会的処方」が取り上げられていたので紹介します。 www.economist.com

子ども食堂フォーラム

名古屋大学 新2年の田上陽菜です。2月16日(金)に行われました「子ども食堂フォーラム」で学んだことをご報告したいと思います。このフォーラムの前半は社会活動家である法政大学教授の湯浅 誠 氏による「子ども食堂のすすめ」と題した講演で、後半は子ども食…

健康格差 1章(福井チーム)

<日にち> 3/1 20:00-23:00 <参加者> 鈴木、青山、友兼、加藤 <話あった内容> ① 注目すべきこと ・無力化にどう取り組んでいくのか? ・「人種」の問題:一部の善良なDrが着目する。 ② 心に残ったこと ・“一般化”にすごく納得。これこそが私たちが学んでいる…

読書会のすすめ

東です。この会で何をやっているのか一度説明しておきます。 医師になると、臨床で気になった事例やテーマを調べて発表する勉強会や、最近注目の論文を読む抄読会などを日常業務としてすることになります。この読書会で行っているのは勉強会のミニチュア版、…

健康格差 第10章

担当:東 タイトルは「この世界で公正に生きる」。グローバル経済がどのように人々の健康に影響するかについてです。最終章前にふさわしい大きい話ですね。知っておく必要はあるだろうけど、大きすぎて個人でどうこうできることじゃないんじゃないかなあ、と…

おすすめサイト

■医療政策学×医療経済学 – Health Policy X Health Economics 圧倒的な情報量。公衆衛生、社会疫学、医療経済、等々で気になるトピックがあったらとりあえずここを開くといい気がします。一本一本は短いので成書がつらい人にも便利なサイトです。 国の医療費…

健康格差 序章(福井チーム)

2/24開催 参加者:鈴木、加藤 疑問点・感想など① 「コレステロールは文化によるストレスによるものであり、食事には関係ない」→ この研究結果が卵販売会社に引用されていたということ? 卵パックの紙切れ:自分が正しい知識を持っていないと流されてしまう。…

健康格差4章補足②:日本の体罰

小児期のマルトリートメントを扱った『健康格差』4章の補足で被虐待児のケアについてまとめたいのですが、その前に、先日セーブザチルドレンジャパンより「日本のしつけのための体罰等の意識・実態調査」が出ていたので、紹介しておきます(2万人に対するイ…

沖縄のアルコール問題

沖縄フィールドワーク事前学習、3人目は東です。「沖縄けんこう21」の資料を見ていて気になった「働き盛りの/肝疾患死亡/自殺」の多さについて、アルコール問題という側面から調べてみました。

近藤克則さんインタビュー

こんな記事がありました。 オフグリッド化する医療〜身体から環境へ、未来社会の健康づくり〜 | 一般財団法人 Next Wisdom Foundation ネクストウィズダムファウンデーション 健康の社会的決定要因が注目されるようになった経緯が解説されていますね。教養の…

沖縄は長寿県?

沖縄フィールドワーク事前学習、2人目は福冨さん。沖縄の健康状況の相対的悪化についてです。本レポートの中では「欧米食化」「車社会化」を原因にあげてます。 私見では、ベースラインの健康化+急性病から慢性病への疾病構造変化でもともと抱えていた食・…

沖縄の本土からの隔絶

沖縄事前学習シリーズ、1人目は小西くん。フィールドワークでも多分見にいきますが、基地問題について一言いいたいようです。沖縄は地理的歴史的に分断されているがゆえに本土から厄介ものを抱え込まされているという面はあるかもしれませんね。いわゆるNot …